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                       Die Buchse der Pandra (1928)
                       パンドラの箱
           
        



        

       ブルックスの映画のなかでもっとも彼女の魅力が発揮されているのは、
       やはり「パンドラの箱」ではないでしょうか。
       この作品については大岡昇平氏のすぐれた論考があるので多言を要しません。
       その題材といい、主人公の性格といい、ブルックスにこれほどのはまり役は
       なかったと思われます。
       監督パプストははじめディートリッヒをルル役にフューチャーしようと
       考えていたそうですが、彼がルルに求めていたのは幼女的な無邪気さと
       ヴァンプの同居した性格であったので、ブルックスに団扇が挙がったと
       いいます。

       とくに私がすばらしいと思うシーンを何枚かご紹介します。


                           
                  冒頭のシーンです。ひと目でどういう素性の女性かわかります。
                  シェーン博士の囲われ女ルルが、電気料金の集金のおじさんが
                  来たのでドアを開けたところです。


                      
                 ほんとうはこの直後に不敵にニヤリと笑うところが凄いのですが。
                 シェーン博士の婚約者の面前でキスをした直後の場面。もちろんこのあと
                 博士と婚約者は破談し、彼はルルと結婚。結婚式の当日に死ぬ運命を辿ります。



                         
                これは無邪気な笑顔のルルですね。
                この笑顔を見たいがためにシェーン博士は死に、シェーンの息子アルバも
                道を誤ります。さらに曲芸師のシゴルヒとルルを愛している伯爵令嬢ゲシュヴィッツ
                も悲惨な運命を辿ります。
                彼女を真剣に愛する者はばたばたと屍を重ねていき、ルルがはじめて本気で
                愛した男はメッキー・メッサーであったという運命的解決。この魅力的なあどけない
                表情はメッキーからヤドリギの枝を差し出された場面です。



                    
             クリスマスイヴの夜、ヤドリギの下で口づけを交わしたルルは、新しい商売、すなわち
             街娼の役目も忘れてうっとりとメッキーに身を預けます。そうして殺人によって性的昂奮
             を得るメッキーに刺されて死にます。それは宿命といってもよい出遭いと死でした。
             ラストシーンは刺されて崩れ落ちるルルの、恍惚とした表情です。
             


                        

                   10年ほど前、独逸旅行をした折に、とある蒐集家のお宅で遭遇した
                   ルルのポスター。
                   ルルの顔が中央に大きくあしらわれたデザインの印象は強烈で、いまだに
                   このポスターを探しています。(私が見たのは複製なのでヨーロッパでは入手
                   しやすいものなのかもしれません)
                   

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